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収益不動産の売却査定価格は◯◯◯で決まる!?
2016年9月17日収益不動産の売却査定価格は◯◯◯で決まる!?
いつも蔵助「KURASUKE」をご覧いただきありがとうございます。
既にオーナーでいらっしゃる皆様はご存知の通り、◯◯◯で決まる。売却価格は満室想定時のレントロールの合計収入部表面利回りで決めるのが一般的。もう一つは融資の期間!
しかし、査定する側から見ると、レントロールの合計額だけでは決めきれない物件や理由が存在します。査定者が考える売却査定価格にはいろいろと経験が必要。では、そのいろいろとは!?詳しく述べて行きましょう。
(事例)中古アパート
構 造:軽量鉄骨造2階建て
地 年:平成8年新築(築後20年)※償却残年数7年
間 取:ワンルーム
部屋数:16室 ※現在入居13室
賃 料:40,000円
駐車場:3,000円
共益費:2,000円
満室時:月収720,000円 満室時年収8,640,000円
現入居:月収585,000円 年収7,020,000円
金 利:1.8% 融資調達金利
上記の例で見ると、法定対応年数27年の建物ですが、既に築後20年経過してる事がわかる。残りの法定対応年数が7年しか残っていない。ここで査定者は法定対応年数が少なく、ローン期間が短いという点にフォーカスします。
レントロールの合計金額(利回り)が高い場合でも、ローン期間が短いと言うことはローン返済額が多く、キャッシュフローが悪い、償却年数も短いため利益が出てもわずか、更に固都税や所得税などの支払いを考えると売りやすさに疑問が生じる。
(例1)満室想定、返済期間7年、家賃年収864万円を元に売却査定価格を算出。
売価① ¥72,000,000− (表面利回り12%)
・月収入 ¥720,000−
・毎月返済額¥912,918−
この試算では毎月マイナス¥192,918−でアウトだ。
・売価② ¥48,000,000− (表面利回り18%)
・月収入 ¥720,000−
・毎月返済額¥608,612−
この試算では毎月プラス¥111,388−となり何とかなりそうだがそうでも無い。売価②では¥111,388×12ヶ月=¥1,336,656−この手残りであれば固定資産税を支払い、多少の修繕費用が発生してもいくらかの手残りは有りそうだが、どうも心配だ。残りのキャッシュは多いほうがいいに決まっている。
(例2)返済期間を倍の14年、家賃年収864万円を元に売却査定価格を算出。
売価① ¥72,000,000− (表面利回り12%)
・月収入 ¥720,000−
・毎月返済額¥485,156−
返済期間が倍になると毎月¥234,844−(年収¥2,818,128−)
※毎月の返済負担率67.38%
・売価② ¥48,000,000− (表面利回り18%)
・月収入 ¥720,000−
・毎月返済額¥323,437−
毎月の手残りが¥396,563−(年収¥4,758,756−)
※毎月の返済負担率44.92%
なんと年間の手残りは¥4,758,756−と大幅にキャッシュフローが良くなる。このような物件があれば即買い付けが入るのは間違いないだろう。
マイナス金利が導入され市場の融資金利も低下、融資を利用し資産形成する人にとっては空前のチャンスが到来。しかし、喜んでばかりはいられないのが実情だ。なぜなら、マイナス金利の恩恵を受けるのは日本国民全員に平等に起きているからだ。マイナス金利導入後、不動産投資家はこぞって物件を買い漁っていおり、市場に良い物件が少なくなったと嘆く声を耳にする事が増えた。
金融機関も積極的に融資先を探すことに懸命になっているのも間違いなく、融資への取組みもオープン(扉が軽い)事実、事例のように残りの法定対応年数7年の物件であっても融資期間15年、20年で承諾を得たという話は良く聞くようになった。融資期間が長く組めると言うことは例2の売価①や②の例のようにキャッシュフローが出やすい計画がたてられるのだ。
売却査定価格はいくら!?
金融機関の融資姿勢が緩い今の状況であれば利回りが低く売却査定価格は当然高くなる。
査定担当者が金融機関に強ければ、長めの融資期間を獲得することができるため、売却価格を高く設定しても、キャッシュフローがでる投資計画をたてることが可能となる。その反対に、収益不動産の取扱い経験値が少ない担当者、金融機関にパイプを持っていない業者だと融資期間を長くする事が出来ない可能性が高いと言えるでしょう。
今回は査定価格はいくら!?にフォーカスしたが、物件取得のための融資期間が長ければキャシュフローが生まれやすいとお伝えしました。理想は物件価格が安く利回りが高い、さらに融資期間が長いとくれば理想的なオーナー経営ができるでしょう。
ここには書ききれませんが、個人の属性、所有物件全体のバランス、修繕、入居率、税務と多岐に渡る知識経験が必要。少子高齢化時代に突入した昨今、立地条件も重要になってくるだろう。常に勉強し、新しい情報は更新し知層を重ね、より効率的な投資経営を行いたいものだ。