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2020年基準地価の発表!コロナの影響による土地価格の変化は?
2020年9月12日日本の土地価格は、「公示地価」「基準地価」「路線価」といった3つが存在します。
一つのものに3つの価格が存在することから「一物三価」と呼ばれますが、実勢価格を含む場合は「一物四価」とも言います。
さて、不動産業界において毎年の発表で注目が集まる土地価格ですが、コロナによる影響が気になるところ。しかし今のところ特にネガティヴなニュースはなく、むしろ良好な結果が続いている状況です。
ただ2020年9月に発表される基準地価においては、これまでと状況が変わる可能性が否めません。
公示地価や路線価とは違う、基準地価の「ある違い」によってコロナショックの影響が遅れて表れる可能性があるのです。
今回は発表が待たれる基準地価が上昇、下落のどちらとなるかを予想します。
また今後の不動産市況をどう捉えるべきか、過去のデータを交えながら解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
注目される基準地価の発表!公示地価や路線価との違いとは?
そもそも基準地価とは、「公示地価の補完的な役割を持つ土地評価額」です。
公示地価は主に都市計画区域を調査した土地価格ですが、基準地価は都市計画区域外のエリアも含まれます。
調査する地点数こそ公示地価のほうが多いものの、調査される場所が違うため公示地価では判断できない土地価格を知りたい時に役立つのが基準地価です。
とはいえ不動産取引の指標となる土地価格を調査するという点で、公示地価も基準地価も目的は同じ。
両者の違いは、「発表日」「地点数」「調査主体」くらいなものなのです。
公示地価 基準地価 路線価 調査主体 国 都道府県 国税庁 調査方法 不動産鑑定士2名以上で調査する 不動産鑑定士1名以上で調査する 不動産鑑定士の調査を基に 公示地価の8割程度の価格で
決定する
評価の基準日 毎年1月1日 毎年7月1日 毎年1月1日 公表日 毎年3月下旬 毎年9月中旬~下旬 毎年7月1日 調査地点数 2万6,000地点 2万地点以上 約32万地点
「路線価」は公示地価の8割程度を目安として、相続税や固定資産税を算出する目的で調査される土地価格。
公示地価などとは利用目的は違うものの、地点数が32万と多いため不動産市況を占うという意味で毎年注目されます。
さて、今年発表された公示地価や路線価においてコロナショックの影響は見られませんでしたが、基準地価に関しては「下落する」との見方が多くあります。
「2020年の基準地価は下落」の予想は杞憂に終わる?
まず今年発表された公示地価と併せ、アベノミクス開始後の公示地価推移を見てみましょう。
参考:国土交通省 地価公示
アベノミクスやオリンピック特需により、日本経済が好景気に転じたのは記憶に新しいところ。
全国の土地価格は上がり続け、2020年の公示地価においてもこれまでの流れを引き継いで昨年を上回る土地価格となりました。
ただし、公示地価と路線価から半年遅れて調査されるのが基準地価です。
コロナショックによる世界的な混乱が表面化したのは、おおむね2020年3月以降。つまり経済的な不安が土地価格に影響するなら、7月1日に調査される基準地価に反映するはずなのです。
しかし、実際のところ基準地価に大きな変化は起こらない可能性があるのも事実。
不動産業界のインフラとして重要な役割を担う「レインズ」が公表する、首都圏における土地価格の推移をご覧ください。
日本政府による緊急事態宣言以降、倒産や赤字決算が相次いでいるのはご存じのかたも多いでしょう。
経済が不安定になれば不動産に影響するのは当然であり、コロナショックが拡大した3月、4月に土地価格は大きく下落しました。
しかし首都圏の土地価格は、2020年7月までに元の水準に戻している状況。
多くのメディアが「2020年の基準地価は大きく下落するのでは?」と述べています。しかし不動産動向を左右する首都圏の土地価格は、一度は下落したものの安定を取り戻したと言えるのです。
土地価格に限らず、不動産の動向は東京圏が発端となって徐々に地方エリアへ波及していきます。
つまり一時的に土地価格が下がった程度では、全国の土地価格となる基準地価に大きな影響を及ぼさない可能性が高いのです。
2020年の基準地価は「下落せずとも確実に失速」する
では、日本の土地価格はこれまでどおり上昇し続けるのでしょうか。
実は全国区での土地価格動向を見た場合、決して安心できる状況ではありません。
国土交通省が土地価格の先行指標として定期的に発表する、「地価LOOKレポート」をご覧ください。
公示地価などの調査地点数が多い指標に対し、地価LOOKレポートは全国の主要な100地点における土地価格を評価する指標です。よって、必ずしも公表結果どおりになるとは限りません。
ただ図をご覧いただくとお分かりいただけるとおり、2020年4~7月にあたる令和2年第2期の土地評価は、これまでと明らかに様子が違います。
「横ばい62%、下落38%」となっており、全国的な地価の上昇は完全に失速したという印象が否めません。
予てから「経済と人口の東京一極集中」と言われていますが、土地価格が安定しているのは東京圏のみ。全国的に見れば、コロナの影響が基準地価に影響してもまったく不思議ではないのです。
コロナの影響が表面化するのは「2021年公示地価」
もともと不動産市況というのは、経済的な変化から数か月~半年ほど遅れて表れると言われます。
株価の下落や赤字決算、企業の倒産などが続いても、その影響が不動産価格の数字となって表れるのは早くても数か月後なのです。
実際、2008年9月にリーマンブラザーズが経営破綻した直後に株価は大きく下落し、翌月には最安値を更新。経済の影響が表れやすい首都圏の中古マンション市場でもリーマンショックの影響はすぐに現れましたが、最安価格となったのが約半年後の2009年4月でした。
今回ご紹介した不動産市況のとおり、7月時点の土地価格となる基準地価において大幅な下落というシナリオになる可能性は低いでしょう。
とはいえまだまだ予断を許さない状況が続いているのも事実。
企業の赤字決算や廃業というニュースが続くなかで安倍首相の辞任という大きな節目を迎え、アベノミクスによる経済効果はもはや過去の話となりました。
コロナショックの影響が土地価格へ如実に表れるのは、もしかすると2021年の公示地価なのかもしれません。