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意外と盲点がいっぱい。
中古マンションのリノベーション2019年9月7日中古マンションは利回りを上げる点で有利です。
しかし、客付け力の点では新築に劣る場合が多く、安定した経営のためには対策が必要です。そこで挙がる対策にリノベーションがあります。
単にリノベーションと言っても雲を掴む様な話になりかねず、思わぬ落とし穴に落ちてしまうこともあります。そこで、ここでは中古マンションを取得してリノベーションする際に注意すべき点を挙げてみます。
1)物件取得
まずは物件取得の際に気をつけるべき点を挙げてみましょう。
(1)耐震性建築物の耐震性は大きな地震の発生と共に変わって来た経緯があります。マンションの場合の大きな変化は1981年に耐震基準が変わっています。そのため、築古のマンションを取得すると、耐震基準で劣る場合が出て来ます。
築年数によっては耐震性で劣るケースも出て来て、客付け力の点で不利になりますので注意が必要です。
(2)建物の外観建物の外観にも気をつけるべきです。外観は物件の第一印象を決めるからです。外観が良ければ好印象を得ることも出来ますし、良くなければ空室リスクも出てきます。
そして、建物の外観は共有部分になるため、区分所有の立場では外観を変えることは出来ません。そのため、取得段階での注意が重要になります。
(3)廊下やエレベーターなどの共有部分廊下やエレベーターなどの共有部分の状態の確認も重要です。マンションに入っている管理会社が良くない場合には、共有部分のメンテナンスや掃除が行き届かなくなる場合もあります。そうすると、内覧者の印象を悪くする結果にも繋がり得るため、客付け力確保の点ではデメリットが多くなってしまいます。
(4)部材の腐食など部材の腐食などもチェックすべき点です。特に、ベランダなどの手すりがスチール製である場合には、部材腐食は強度が落ちるために非常に危険になります。
2)費用
次に費用面について考えてみましょう。
(1)利回り計算利回り計算は表面利回りで計算するのでは無く、実質利回りで計算することが大切です。そして、リノベーションをする場合には利回りにリノベーションの費用を組み入れることが必要となるのです。
利回りは投資額が多ければ落ちてしまいます。その下落幅を把握しておかないと、見込んでいた収益と実際の収益がかけ離れてしまう場合も出て来ます。
(2)管理費について区分マンションには管理費が付き物です。そして、管理費については事業計画に盛り込むことは可能です。しかし、不意な管理費のアップもあります。資金計画をギリギリで考えていると、この上げ幅について行けなくなる場合も考えられます。
(3)修繕積立費についてマンションは設備の老朽化に備える修繕積立費を支払う必要があります。修繕積立費も基本的には一定額となりますが、想定外の値上がりが発生する場合があります。そして、修繕積立費の値上がりは築年数が経って来ると多くなるケースもあります。中古マンションを取得すると修繕積立費のアップを考えておかないと、経営が苦しくなる場合も出て来るのです。
3)間取り・デザイン
次に物件の間取りとデザインです。
(1)間取りを変える場合昔のマンションの間取りと今のマンションの間取りは相違点がずいぶんあります。例えば、昔は和室を組み合わせた間取りだったのに対して、今はLDKを中心にした間取りが多くなっています。その様な背景もあって、リノベーションの際に和室の間取りからLDK中心の間取りに変えるケースが目立ちます。
ただ、その様なリノベーションをする場合にも注意が必要となります。特に水まわりの設備の移動に関しては、使い勝手に影響する場合もあるので、気をつけなければなりません。
(2)個性的過ぎるデザインリノベーションで個性的なデザインが採用されることは多いです。しかし、自分が住むのでは無くて誰かに貸す物件であれば、個性的過ぎるデザインにすると不利になってしまうことも考えられます。
(3)売却についてリノベーションマンションは価値が上がっているので価格的に有利になる様に見えます。しかしそれは買手がついた場合であるのが前提です。あまりにも個性的なデザインにしてしまうと逆に顧客から敬遠される事態も考えられます。売却を見込んでのデザインにすることが大切になります。
4)設備・仕様
次に設備や仕様について考えてみましょう。
(1)電気容量について
今の住宅設備は食器乾燥機やIHヒーターなど、電気を多く使う物が多くなりました。そして、今のマンションは60アンペアの容量の物件も多くなっています。
しかし、中古マンションの場合は電気容量が少ないケースもあります。そのため、設置可能な設備に制限が出る場合もあります。取得の際には注意が必要です。
(2)配管関連配管での注意点は老朽化の問題です。中古マンションの場合は取得した段階で配管が古くなっています。そのため、新規の水まわりの設備を設置したとしても、配管部分の接続が上手く行かない場合もあります。そうすると漏水などに繋がってしまいます。
(3)バリアフリー関連今では廊下などに手すりが付く様になりましたが、中古マンションの場合はバリアフリー化に未対応のケースもあり得ます。室内の段差は床工事などで対応出来るケースもありますが、例えば玄関ドアなど、敷居が出ている場合もあり、バリアフリーとは言いにくい仕様の物もあります。尚、玄関ドアは外側が共有部分になるため、交換は難しい部分となります。
5)まとめ
リノベーションも考え無しにした場合、意外に盲点が多いことが分かったと思います。
リノベーションは確かに魅力的な工事ではありますが、注意点が多く、念入りに計画して臨むことが必要です。