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法定相続と遺産分割協議の違いとは?
2018年10月16日
相続の方式に、「遺言」と「遺産分割協議」等がある事は、聞いたことがあると思います。
でも、遺産分割協議の内容まで理解している人は少ないのではないでしょうか。
これには、法定相続についての知識も不可欠です。
その時になって慌てないためにも、基礎的な知識くらいは養っておきたいですよね。
そこで、今回は、相続に必要な基礎知識について分り易く説明していきたいと思います。
- 相続の基本
- 法定相続権
- 親と兄弟の法定相続
- 遺産の分割
- 相続の承認方法
- 遺言
- まとめ
相続の基本
相続が発生した際、遺言があれば、それを最優先するというのが法律上のルールです。
本人の意思が最大に尊重されるには、遺言が最優先されるのは当然ですよね。
でも、遺言の中で「一切相続させない」等と書かれたら、困る人もいます。
実は、遺言で「特定の家族に対して相続させない」と書いてあっても、民法で最低限の保護規定があります。
「家族(相続人)なのだからこれくらいはあげなさい」と、民法で最低限の相続分を認めているのです。
この最低限度の相続分のことを「遺留分」と言います。
しかし、実際のところ、元気な時に遺言書を作成している人は少ないですよね。
相当の資産がなければ遺言をしようとも考えないでしょうし、病気等で入院すれば、それどころではないまま亡くなってしまうことも多いでしょう。
つまり、多くの場合遺言は存在しない状態で相続が開始されるという事です。
そんな時、ガイドラインとして必要な分割方法を定めたのが民法で規定する「法定相続」なのです。
法定相続権
では、法定相続では、どのような順番で相続できる事になっているのか、簡単にご紹介しておきたいと思います。
まず、死亡者の配偶者は、常に相続人となります。
配偶者が生存している場合には、必ず財産の半分を相続できることになっています。
そして、死亡者の子にも、配偶者と同じように相続権があります。
配偶者が死亡している時には、子供達だけで遺産を分けることになっています。
内縁の妻(籍を入れていない妻)は、法定相続人にはなれません。
内縁の妻に遺産を残したい時は、遺言で行う必要があるという事です。
子供が相続開始前に死亡している場合、その子供(孫)が代わりに相続人となります。
死亡した者からすれば孫にあたる関係ですが、自分の子と同じ扱いをされます。
これを、代襲相続と言います。
親と兄弟の法定相続
子や孫がこの世に存在しない場合、相続の優先順位は次へと移ります。
この場合、次に優先権を得るのは、親・祖父母等、本人よりも先に生まれた親族です。
配偶者がいれば、常に相続人の一人となりますので、配偶者と死亡した者の親族が相続するという事です。
配偶者が死亡していて、子供や孫もいない場合、妻と両親が相続人となるわけです。
両親等の直系尊属が存在しない場合、配偶者と死亡した者の兄弟姉妹が相続します。
妻が既に死亡していて、他に相続人も存在しない場合、特別縁故者が相続人の候補となります。
特別縁故者とは、死亡した者と一緒に暮らしていた人や、看護等の面倒をみていた人等、故人と特別な関係があった人のことです。
特別縁故者に該当するかどうかの判断は、家庭裁判所が下します。
特別縁故者も存在しないという場合には、全ての財産が国庫に帰属することになります。
遺産の分割
相続人が集まって遺産分割協議をするのは、遺言書が存在しない場合です。
民法では、死亡した者が遺言で禁じた場合を除いて、いつでも遺産の分割協議をすることができると規定しています。
更に、遺産の分割について協議が調わないときには、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することもできます。
よく誤解されているのは、この遺産分割協議の内容は、民法で定められている法定相続の規定に沿ったものでなければならないと思われている事です。
実は、法律で決っている相続分を基準としながら、自分達の話し合いで取り決めても構わないのです。
法定相続の規定通りに遺産分割をしなければいけないという事ではありません。
考えてみれば、親戚で話し合ってトラブルなく相続できるのなら、法律に頼って決定する必要はありませんよね。
法定相続の規定は、相続時の指標のようなものだと考えれば良いと思います。
相続の承認方法
相続の受け取り方には、「単純承認」と「限定承認」の2種類があります。
また、一定の手続をすれば、相続を放棄することもできます。
単純承認とは、相続財産の全てをそのまま承認することです。
故人の債務等、悪い資産が含まれていても、そのすべてを引き継ぐことになります。
限定承認の場合には、相続資産から債務等を差し引いて、残った部分だけを引き継ぐことができます。
限定承認をするには、相続があったことを知った時から3カ月以内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認する旨を申述しなければなりません。
3カ月以内に限定承認又は相続の放棄をしない場合は、相続人は単純承認したものとみなされます。
また、限定承認の手続きは、相続人全員で共同して行う必要があり、独断では出来ません。
遺言
民法では、15歳に達した者が遺言をすることができると規定しています。
そして、遺言は、民法で定める方式に従わなければいけません。
遺言の方式には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。
遺言書が複数存在する時には、後に書かれた遺言が優先されます。
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。
これらの要件を満たさない場合は無効な遺言となります。
家族のために、せっかく遺言書を作成しても、無効になってしまっては意味がありませんよね。
ですから、遺言書を作成するときは、なるべく専門家に依頼した方が良いと思います。
まとめ
遺言については、実際にその手続きを体験する人の方が少ないと思います。
しかし、遺産分割協議は、誰にでも突然に訪れる可能性があるものです。
出来るだけ早い段階から、どの資産を誰が受け継ぐべきかを家族で話し合っておけると良いですね。