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賃貸アパート建築が急増中。相続税バブルともいわれる現象で更なる空室問題拡大?

2017年3月22日

国土交通省が1月31日に発表したレポートでは、賃貸アパートの建築件数が前年比で10.5%も上昇しています。

http://www.mlit.go.jp/common/001170339.pdf

 

 

景気が戻ってきたのでしょうか。

実はそんな悠長な場面ではなさそうです。

バブルのような状況ですが本当は大きな落とし穴が隠れています。

 

どんな状況なのか見ていきましょう。

 

 

相続税バブルとは?建築ラッシュとどんな関係があるの?

 

平成27年1月から相続税の際に控除される「基礎控除額」等が改正されました。

事実上、相続税が増税されたことになります。

相続税なんてお金持ちだけの悩みだと思われていたのですが、

自宅や貯金だけが財産という人にも相続税の課税対象者になるケースが増えてきたのです。

 

相続税の対象となる財産には

現金や株式などの金融資産と車、宝石、不動産といった現物資産があります。

 

株や現金はその財産評価は一目瞭然で100%価値として評価されます。

 

しかし現物での資産はそれぞれに評価の仕方には特徴があります。

 

特に不動産の場合は相場価格の概ね60%から80%での評価がされるのです。

 

 

1億円の現金は1億円の財産として相続税の計算がされ、

相場価格1億円の不動産の場合は6000万円から8000万円という資産評価がされるということです。

 

他人へ貸し出している不動産に関しては評価が更に低く計算されます。

 

このような事から、金融資産をアパートなどの不動産資産に変えてしまおうと考える人が急増したのです。

 

 

 

相続税対策で不動産投資をすることの危険性

 

相続税対策として不動産投資をすることにはそんなにもメリットがあるのでしょうか。

実はこのような状況を今、「相続税バブル」と呼んでいます。

確かに資産を賃貸不動産に変えて保有することは相続税対策につながります。

しかしそれは土台となっている賃貸経営がうまくいっている場合です。

 

アパートの全てを現金で購入しているのであればまだしも

殆どの新築アパートは土地購入費も含みローンを組んで建設されています。

頭金は保有していた金融資産を投入しているのですが残りはローンを組んでいるため毎月の返済が発生します。

 

 

 

収益性の低い賃貸アパートの建設ラッシュ

 

日本では800万戸以上の空き家問題を抱えています。

そのうちの実に半数以上が賃貸物件なのです。

 

このような環境で安易にアパートを建築しても空室を抱えてしまえば相続税対策どころではありません。

代々から大家業をやっていて土地を持っている地主ならともかく、

にわか大家では建築費と土地購入費が必要になるため予算上狭小なアパートばかりになっています。

 

一部屋が30平方メートル以下で特徴のないアパートがどんどん建設されているのです。

 

新築なら多少不便な場所でも5年は満室経営できると言われていた時代もありました。

しかし今は新築アパートでも空室を抱えている物件はとても多いのです。

 

 

不動産投資を始める際には「収益性」が最優先です。

 

「節税」ではありません。

 

きっちりと収益をあげられる物件がありそこからさらに節税面でも活用していくという順序は変わりません。

 

 

今は金利も低く、個人一般がアパートローンを組みやすい環境も整っているため業者や銀行のアプローチも強くなっています。

全国で様々な相続税対策としてのアパート経営セミナーも開催されています。

 

 

 

いい話だけをうのみにしないで、収益性のあるアパートの建設を常に念頭にして節税対策に役立てるようにしてくださいね。