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問題は3つ!
レオパレス21のニュースを分かりやすく解説2019年2月18日ここ最近、インターネット上で「レオパレス21」という会社の名前をよく目にするようになりました。
発覚した「建築基準法違反」がキッカケとなり、これまで大きな騒ぎにならなかった様々なトラブル事例が、ここへきて改めて問題視されているのです。
その問題というのは、主に3つあります。
何年も前から引きずってきた問題もあれば、直近で明らかになった違法建築もあり、最近レオパレスのニュースを知った人の中には状況が掴めない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、これまでのレオパレス21関連の問題を分かりやすく説明しつつ、何故レオパレス21の悪い話題が絶えないのか、そして今後レオパレス21がどう対応していくのかといったことを解説します。
今後も引き続き注目される可能性の高い事件ですので、是非この機会にどのような内容か知ってみてください。
1)これまでに発覚したレオパレス21の3つの問題
今までにレオパレス21の良い話題も悪い話題も色々と聞いたことがある方は多いかと思います。
まず良い話題として、広瀬すずさんがヒロインを演じるテレビCMの人気、そして経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「攻めのIT経営銘柄2018」に選定されるといったものがあり、レオパレス21は不動産業界の雄といっても過言ではない存在です。
その反面、悪い話題も尽きません。
レオパレス21についてのネガティヴなニュースを時系列にまとめると、以下の3つの問題が主なものとなります。
- 1.サブリース問題
アパートを一括で借り上げて家賃収入を保証するサブリースという契約に対し、支払われる家賃を半ば強制的に減額したり、その承諾が得られなければサブリース契約を解約するという手法が問題となった
- 2.建築基準法違反の発覚
建築基準法の中で「建物内の壁は屋根裏まで達していなければならない」と定められているにも関わらず、実際には壁が屋根まで届いていない建物が非常に多く見つかった
- 3.新たな建築基準法違反の発覚
壁の内部に使っていた素材が耐火性、遮音性に劣る上、建築確認書の記載と違う「発泡ウレタン」を使用していたなど、建築上の不備がある物件が全国で1300棟以上あることが判明した
今問題になっているのは、3つ目の壁内部に耐火性、遮音性に劣る素材を使用していたというものです。
法令では、「グラスウール」というガラス繊維でできた耐火性や遮音性に優れた素材を使うように定められていますが、実際には「発泡ウレタン」という素材を使用していたのです。
発泡ウレタン自体は断熱性に優れたものですので、使用してはいけないということはありません。
ただ、そもそも建物を建てる前に必ず提出する「建築確認書」ではグラスウールを使用するとして申請していましたので、建築そのものが違法ということになります。
結果、現在のレオパレス21の株価は、まさに暴落という表現に値する騒ぎに発展しています。
2)レオパレス21のニュースが絶えない理由
思い返せば、レオパレス21の良い話題も悪い話題もずいぶん前から目にします。
それもそのはず、レオパレス21の悪い話題は非常に多く、SNSやテレビ、各メディアでは、主に以下の話題が頻繁に取り上げられています。
- ・「レオパレス伝説」とまで名がついてしまった建物内の音漏れ問題
- ・集団訴訟にまで発展したレオパレスオーナーらによるサブリース問題
- ・テレビ東京の「ガイアの夜明け」による度重なる告発報道
上記3つの問題のうち、恐らくどれか一つくらいは何となくでも知っているという方が多いかと思います。
特にガイアの夜明けという番組の告発報道は「ガイア砲」と呼ばれており、放送のたびに大きな話題となります。
また、SNSや掲示板サイトでは、生活音が丸聞こえになってしまっているという書き込みが多く、こちらもレオパレス21の印象を悪くしてしまっている要因の一つと言えるでしょう。
3)NHK受信料の支払いが強制なんて話も…
そして、上記までに挙げた話題だけでなく、レオパレス21のアパートに住む人のNHK受信料についても一部で話題となっています。
これは2018年に最高裁判所の判決で「賃貸物件にテレビが設置されていた場合のNHK受信料の支払い義務は、その物件の入居者にある」という結論が出されたためです。
しかも、裁判の対象となっていた賃貸物件こそがレオパレス21のアパートなのです。
もう少し詳しくご説明します。
- 【レオパレス21の物件に設置されたテレビのNHK受信料に関する裁判】
- 仕事の都合で一時的に兵庫のレオパレスのアパートに住むことになった男性。
- その物件には元々テレビが設置されていたためNHKの集金人と受信料契約を取り交わしましたが、そもそも自分がテレビを設置したわけではないため、支払い済みの受信料の返還を求めて裁判を起こしました。
- 地方裁判所では男性が勝訴しましたが、高等裁判所ではNHKの主張が認められ逆転敗訴となります。
- 結果、最高裁判所において「テレビを実際に設置した者だけでなく、そのテレビを使用することができる人にも受信料の支払い義務がある」との判決が下されました。
上記の判決は、NHK受信料について異を唱える人たちの間で話題となりましたが、対象となった物件がレオパレス21のアパートであったということで更に話題となった感が否めません。
この判決はレオパレスオーナーだけでなく、全国の賃貸オーナーが家具・家電付き賃貸としてテレビを設置するかどうかを考えさせるものとなりました。
同時に、テレビ付きの賃貸物件に住む人はNHKの受信料の支払いが強制ということですので、決して軽視できることではないと言えるでしょう。
4)今後のレオパレス21の対応
さて、レオパレス21のこれまでの報道や話題について主なものを解説させていただきましたが、当のレオパレス21はどのような対応をしているのでしょうか。
レオパレス21の公式ホームページでは、最初の建築基準法違反発覚以降から特設ページを開設して、問題発覚の経緯や調査の状況などを逐次報告してきました。
しかし、今回で2度目の建築基準法違反の発覚により、以下の対応を行うと発表しています。
- 【入居者への対応】
- レオパレス21が以下の費用を全額負担の上で、同社管理物件と同社管理物件以外の入居者への住み替えを案内する
- 〈レオパレス物件への住み替えの場合〉
- 敷金、礼金、手数料、鍵交換費用、日割家賃、翌月家賃
- 〈レオパレス物件以外への住み替えの場合〉
- 住み替えに関わる契約金(敷金、礼金、仲介手数料、日割家賃、翌月家賃、保証会社の保証契約料等)
- 【該当物件の所有者への対応】
- レオパレス21が補修工事の費用を全額負担する上、入居者住み替え後の空室賃料を保証する
参考:レオパレス21「新たに確認された不備について」
https://www.leopalace21.co.jp/info/news/2019/0207.html
実際に住み替えを行う人がどのくらいになるかは予測不能ですが、1棟で6戸と少なく見積もっても、違反が見つかったのは1300棟ですから全部で7800戸ということになります。
引越し費用の一般的な目安は家賃6ヶ月分ですので、仮に家賃5万円という安めの見積もりだったとすると、住み替え1戸あたり30万円ほどになります。
もし、7800という全戸の住み替えを実施するとなると、レオパレス21は23億円以上の費用負担となります。
既にレオパレス21は、2019年3月期における経常利益(本業の儲け)の予想を前年同期比7割ダウンと発表しており、今回の問題がかなりの痛手になっていることは言うまでもありません。
有名女優さんをCMに抜擢してクリーンさを前面に出していたレオパレス21だけに、今後は会社の存続自体に注目が集まっていくのかもしれません。