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収益物件取得のポイント!
耐震基準を知る

2019年8月26日

 

建物には様々な基本性能がありますが、とりわけ強度に関する性能が重要になります。その中でも耐震性は多くの場所でクローズアップされる項目の1つです。特に昨今は大きな地震が頻発しているので、より重要視されます。
その様な社会的な背景もあるため、大家としても建物の耐震性に関する知識は重要です。
そこで、ここでは建物の耐震基準に関する変遷や物件選びの上での注意点などについて考えたいと思います。

 

1)耐震規準の変遷

建築物の耐震性は、大規模な地震の歴史とリンクしているとも言えます。耐震基準の改定は、1981年と2000年に行われています。それぞれの基準について見て行きましょう。
(1)1981年まで(旧耐震)

1981年以前の旧耐震基準では「震度5程度の地震でも倒壊しないこと」が条件となっています。
ただ、ここでの「倒壊」はあくまでも人命確保の観点での倒壊であって、住めなくなることまでは問題とはしていません。ですから、震度5クラスの地震が発生して、建物が住居として使用が出来なくなったとしても、倒壊せずに中の人を守ることが出来ればそれで良しとされているのです。
尚、旧耐震基準のカバーする範囲は震度5のレベルまでであり、震度6及び7レベルまでは言及されていません。
(2)1981年から(新耐震)

耐震基準が法的に変わったのは1981年のことです。これは宮城県沖地震を受けての改正でした。
この改正で大きく変わったのは、震度5を超える地震についての言及がされた点です。また、震度5レベルの地震においても建物に関する要求品質が厳しくなりました。
具体的には、震度5までの地震においては、「倒壊しないこと」から「ほとんど損傷しないこと」と変わっています。また、震度6及び7のレベルにおいては「倒壊しないこと」との規定が追加されています。
(3)2000年の木造住宅での改正

耐震基準は2000年にも改定されています。改定内容は木造住宅の構造についてです。
この時の改正点は大きな物を挙げると「地盤に応じた基礎」「部材接合部に金具を着ける」「耐力壁の配置の規定」が挙げられます。
耐震性に関わる点は、部材接合部の金具と耐力壁の配置の部分です。まず、部材接合部の金物としては、柱と梁、そして筋交いを接合する部分を金物で補強することがあります。これにより地震による横からの力に対して強くなります。また、耐力壁の配置の適正化については、地震発生時の建物に加わるねじれる力を受ける上で有効な補強となります。

2)耐震基準の優劣と投資用物件

耐震基準が時代と共に変わって来たのは分かりましたが、これが収益不動産とはどの様な関係が出て来るのでしょうか?
(1)客付け力

収益不動産として使う場合に耐震基準によって生じる差で一番大きくなる問題としては、物件の客付け力が最初に挙げられます。と言うのも、最近では熊本の地震を始めとした大きな地震災害が頻発しており、耐震性の有無によって安全性に差が出て来るからです。
確かに利回りを考えるならば中古物件を取得した方が有利となります。しかし、利回りを出すためには空室を無くすことが肝要となるため、耐震基準などの基本的な性能を上げる必要があるのです。
(2)地震保険について

地震保険も耐震基準によって費用が変わって来ます。耐震性能が低いと保険料も高くなるため、収益の上ではマイナス要因となります。
(3)売却する場合

物件を売却する場合も耐震基準の優劣によって状況が変わって来ることが考えられます。
収益不動産を売却する場合には、買手が別な投資家になることが多いです。そのため、建物をしっかりと調べられるため、例えば耐震性で劣ってしまうと売却額の点で不利になるどころか、買手から敬遠される事態もあり得ます。

3)物件を選ぶ上でのポイントは?

それでは物件を取得する上でのポイントにはどの様な点があるのでしょうか?


(1)築年数のチェック

最初に挙げられるのが建物の築年数の確認です。耐震基準が新しくなった時が強度判断の目安となります。
ただし、ここで注意しなければならないのが、法改正の時期と物件の建築確認の時期です。建築基準法はこの年の6月に改正されました。そのため、6月以前に建築確認が行われた物件では、新耐震基準を満足しない物件もあり得るのです。
そのため、物件の築年数を確認する時は、「1981年」とだけ覚えるのでは無く、「6月」もキーワードとして覚えておくべきです。
(2)耐震診断を受ける

物件を取得する際には耐震診断を受けることも有効な手段です。耐震診断では、基礎や建物の状況がチェックされます。
尚、耐震診断と混同されやすい確認手段に、インスペクションが挙げられます。ここで覚えておきたいのは、インスペクションはあくまでも住宅診断であり、耐震診断とは違うという点です。
そのため、物件の取得に当たっては、インスペクションに加えて耐震診断を受ける方が推奨されます。
(3)耐震リフォームも考える

中古物件においては耐震リフォームも有効です。
耐震リフォームでは、基礎の補強や部材の補強、そして建物の軽量化などが行われます。古い建物であっても大きく耐震性が向上しますので、どうしても築古の物件を買う時には有効となる手段です。

4)まとめ

不動産の耐震基準の経緯と物件選びのポイントなどについて述べて来ましたが、物件を取得する上では新しい耐震基準を目安にすることが大きなポイントとなります。そして、耐震性は物件の安全性に関係して来るので、客付けから売却まで影響が及ぶことを覚えておくべきでしょう。