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コロナによる不動産市場への影響……誰も予想できなかった意外な結果
2020年6月9日日本だけでなく、世界的に経済を混乱させたコロナショック。実は現状のところ、日本の不動産価格は大きな影響を受けていません。
「あれだけ経済が混乱してなぜ?」と思われる方も多いかと思います。
不動産は日本経済を支える重要な産業ですが、経済情勢の変化が不動産市場に影響するのは数か月先。一般的に「不動産市場は遅行性がある」と表現されます。
とはいえ、まったく何の影響もなかったわけではありません。緊急事態宣言も解除された今、徐々にコロナ禍の不動産に何があったのかが見えてきました。
今回は2020年4月のデータを基に、不動産市場の動向を解説します。不動産取引を検討されている方は、今後の取引における一つの参考にしてみてください。
コロナ禍でも大幅アップした新築マンションの契約率
コロナショックにより、不動産市場も大きく影響を受けたと考える方は多いのではないでしょうか。
ただ今のところ、日本の不動産価格が暴落したり不動産会社の倒産が相次いだりしたという状況ではありません。むしろ首都圏の新築マンションに関して言えば、購入者の割合を示す「契約率」が大幅にアップしています。
下図は株式会社不動産経済研究所が毎月公表している「首都圏マンション市場動向」のグラフ。
入学や入社シーズンが終わる毎年4月は本来、新築マンションの契約率がダウンします。しかし2020年4月、コロナによる緊急事態宣言が発令されたにもかかわらず、首都圏の新築マンション契約率はアップしているのです。
画像引用:株式会社 不動産経済研究所
グラフの青い線が首都圏です。
過去3年において4月の新築マンション契約率は60%台だったのに対し、コロナ禍の2020年4月は78.9%と大幅に上昇。コロナショックが本格化した3月半ばころの契約率も好調であり、そのまま4月に入っても契約率は上昇しています。
首都圏の新築マンション市場にいったい何が起きたのでしょうか。
コロナショックと首都圏の新築マンション市場の関係
首都圏の新築マンション契約率が上がったのは、一定数の購入希望者がいたのに対して発売戸数が大幅に減ったためだと考えられます。
不動産研究所が公表した2020年4月の新規販売戸数は686戸と、2019年4月の半分以下。それに対し売却された(契約された)新築マンションの戸数は、541戸だったとしています。
不動産研究所が公表している、首都圏新築マンションの「新規発売戸数」の推移をご覧ください。
画像引用:株式会社 不動産経済研究所
ピンクに塗りつぶされたのが首都圏の新築マンション発売戸数です。2020年4月の新築マンション発売戸数は、2018年以降でもっとも少なかったのが分かります。
ただもちろん、コロナショックが不動産市場に何の影響も及ぼさなかったわけではありません。
新築マンションの契約率は上昇したものの、下表のとおり、新築マンションの契約戸数も例外なく減少しています。
データ参考:株式会社 不動産経済研究所
反面、不動産関連のニュースやコラムを見ていると、「外出を自粛していた人たちの足がモデルルームに向いた」という声が散見されるのも事実。
つまり首都圏の新築マンションは、発売戸数が大幅に減少したのに対して、潜在的な購入希望者の顕在化が契約率上昇という結果につながったのではないかと考えられるのです。
中古住宅や土地への影響は?コロナと不動産市場全体への影響
ここまで新築マンションに焦点を絞って解説しましたが、中古住宅や土地に影響はなかったのか気になる方も多いでしょう。
実は中古住宅や土地こそ、コロナショックの影響が顕著に表れています。
下表は日本の不動産流通を担う「レインズ」が公表している、2020年4月の前年比の取引動向です。
首都圏 中部 近畿圏 西日本 成約件数 価格 成約件数 価格 成約件数 価格 成約件数 価格 中古マンション ▲ 52.6% ▲ 5.8% ▲ 40.6% ▲ 5.6% ▲ 42.3% ▲ 6.1% ▲ 17.9% ▲ 2.5% 中古戸建 ▲ 41.5% ▲ 12.5% ▲ 22.6% ▲ 3.4% ▲ 37.8% ▲ 13.0% ▲ 21.8% ▲ 8.4% 新築戸建 ▲ 26.4% ▲ 8.5% ▲ 17.5% ▲ 2.3% ▲ 20.9% ▲ 3.1% – – 土地 ▲ 28.1% ▲ 14.8% ▲ 28.7% ▲ 0.9% ▲ 28.7% 3.2% ▲ 21.8% ▲ 6.7% 参考:東日本レインズ、中部レインズ、近畿レインズ、西日本レインズ
国土交通大臣に指定された不動産流通機構レインズは東日本、中部、近畿、西日本の4エリアにあり、不動産業者はレインズに取引のデータを登録するのが義務です。
レインズがまとめた取引動向を見る限り、コロナ禍にあった2020年4月の成約数と価格はどのエリアもほとんどマイナスだったのが分かります。
特に東京を含む首都圏と、大阪を中心とした近畿圏の不動産市場は大きく失速。取引価格こそ1~2割の下落で済んでいますが、中古マンションの取引件数は前年同月比で1/2になっています。
不動産価格が上がったわけでもないのに取引件数が減ってしまうのは、不動産業者にとって収益悪化に直結する由々しき問題です。
つまり取引件数が半分になれば、売り上げも半分。不動産を購入したいと考える個人に影響はなくても、不動産業者にとってコロナショックは非常に大きな問題なのです。
どうなる今後の不動産市場……考えられる2つの可能性
とはいえ、5月25日に緊急事態宣言は解除され、日本は徐々に普通の日常を取り戻そうとしている状況です。ただ日本の不動産市場にとっては、まだまだ油断できない状況が続くと考えるべきでしょう。
不動産市況は、経済悪化の影響が遅れて反映するからです。
ではコロナショックに多少の落ち着きが見られた今、今後の不動産市場はどう動いていくでしょうか。
あくまで筆者個人の見解ですが、2つの可能性を考えています。
- 日本経済と不動産市場の低迷が徐々に明確化していく
- 第二波がない限り、さほど大きな影響はない
本記事では住宅に着目して不動産市場の動向を見てきましたが、オフィスや商業用不動産、工場や大型倉庫など、あらゆる土地建物が日本の不動産市場を動機づけています。
つまり住宅以外の不動産にどのような影響があったか明確なデータが出揃っていないなか、「実は不動産市場は大きく悪化していた」という結果が明らかになる可能性が否めないのです。
対する日本経済の指標となる日経平均株価は、すでにコロナショック前の水準にまで戻している状況。自粛を続けていた多くの企業も通常営業を再開しています。
コロナを含めた第二波がない限り、このまま不動産市場も活気を取り戻していくとも考えられるのです。
ただ皮肉にも、コロナショックはテレワークをはじめとした本当の意味での働き方改革を教えてくれたと言えます。
人々の生活スタイルに意識変化をもたらしたコロナショックにより、不動産の在り方も徐々に変化していくのかもしれません。