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資産形成のための不動産投資では、繰上げ返済はしてはいけない?
2017年11月18日
「借金は悪」コツコツと貯めることが得意な日本人の借金のイメージは特に悪いですね。確かに早く返してしまいたい、と考えるのも当然。でもそれが資産形成のための不動産投資ではデメリットとなることも理解しておきましょう。
不動産投資での借金の位置づけ
借金は早く返してしまいたい。住宅ローンや車のローンなら確かにそれも一理あります。しかし不動産投資についてはそうだとは限らないという考え方が重要です。不動産投資の場面では借金はレバレッジとなります。少ない自己資金でも融資の力を借りて大きく収益をあげられる物件へ投資するということです。
例えば自己資金300万円で3000万円のアパートを25年返済2%で借り入れて運用しているとしましょう。
- ・月々の返済 約114,000円
- ・利回り8%の家賃収入200,000円
- ・月々の余剰金 60,000円
詳細の計算は省略していますが、300万円の自己資金で行った不動産賃貸経営でこのようなキャッシュフローの図が描けます。実際にアパートローンが積極的に活用できた時期にはこういった資金計画で賃貸経営を始めている人が少なくありません。
5年後に繰上げ返済をしたら?
この毎月の余剰金を貯めておき5年後に繰り上げ返済すると、5年後には360万円になっています。元利均等返済で融資を組んでいる場合が殆どなので5年後に残高は約2260万円になっています。360万円すべてを繰上げ返済すると月々の返済額は96,118円になります。
当初の返済額から18000円ほどしか減額になりません。また手数料なども考慮していないので、実際にはもう少し減額も少なくなります。繰上げ返済をしてもさほど毎月のキャッシュフローには変化が得られないという事がわかります。
この余剰金を次の物件へと活用すると?
ではこの360万円で次の物件へ投資してみると考えてみましょう。1件目と同じ条件で融資を受け購入できたとすると、毎月12万円の余剰金が得られます。最初に購入した物件にある程度の修繕費や設備の入れ替え時期もあるかもしれません。毎月12万円の余剰金があれば そういったことに少しづつ対応することもできます。また何事もなければさらに物件の買い足しもできますし、その時には2軒に物件から2倍の余剰金があるので全てを自己資金にせず、半分は万が一のトラブルのためのストックとして、残り半分を頭金にして別の物件を購入するという手段が取れます。
低金利の時期で繰上げ返済はしないほうがいい
なぜこのような構図が描けるのかというとそれは日本がずっと低金利の時期にあるからです。2%台で借り入れをしても8%や10%の利回りがある物件で賃貸経営を行えばイールドギャップは6%から8%になります。借り入れの金利と利回りの割合との差をイールドギャップといい、他の諸外国と比べると日本の不動産は今とてもこのギャップを広く確保できることで注目されています。
金利の高い時期であれば、余剰金は繰上げ返済に充当したほうが得策になる場合があります。でも今の時期はそうではないという認識を強く持たなければなりません。そんなにうまく行くはずがないと感じている方もいるかもしれません、しかし著書を発行したりセミナーで人気の大家さんたちはこの構図をうまく活用したりして資産を形成していっているのです。決して無借金で毎月数百万円の家賃収入を得ることはできないでしょう。
不動産投資を行っていくと借金にもいいものと悪いものがあることに気づく必要があります。悪い借金は資金計画が甘く、急な出費や空室に対応できない低い利回りなのにフルローンで購入してしまう場合など。逆にいい借金とは空室率を考慮しても返済額に余裕があり、余剰金をトラブルのためにセーブしたり、次の物件の資金にしたりできることです。
借り入れを考える際にはこのようなプランをも考慮し、堅実に借金を活用していくことが必須ですね。