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木を使った個性的な物件を作る!
木造建築の新事情

2019年7月6日

客付け力を向上させるためには、物件の個性が重要になります。そのため、時には以前からの常識に捕らわれない発想も必要になります。
今回取り上げる「木の話」は物件を造る上でのヒントとなります。木を使った極上の空間は、客付け力のアップと安定した経営を生み出すカギとなるからです。

 

1)木で大きな部屋を作る

最近の木造住宅は間取りがフレキシブルになって来て、昔の畳の組み合わせの様な間取りから変わって来ました。しかし、在来工法の場合は筋かいなどを入れる都合から、構成できる空間に制限がありました。
しかし、最近になって新たな工法が考案されました。木造ラーメン構造です。
(1)構造と材料強度

木造ラーメン構造を考える前に、構造と材料の関係などについて考えてみましょう。
建物を作る構造は様々な種類がありますが、いずれの構造も材料の強度の管理が必要となります。例えば、軽量鉄骨造などでは、構成する部材の強度は一定以上に管理されて製造されています。
そしてこれは、木造の建築物にも同じことが当てはまります。構造をしっかり支えるには、十分な強度とバラつきの少ない品質が必要になるのです。
(2)材料のバラつきの弊害

ところで、木材は鉄骨などと比較して強度などにバラつきのある素材です。木材には木目や節があり、強度の落ちる部分などが多いからです。
それでは材料強度にバラつきがある場合の弊害について考えてみましょう。
先に挙げた様に、軽量鉄骨の場合は部材に一定の強度や品質が保たれています。その結果、安定した構造を作ることが出来ます。
しかし、強度にバラつきが生じる場合、構造強度の見積もりが難しくなるのです。
(3)木造ラーメン構造

ここで木造ラーメン構造について紹介します。
木造ラーメン構造は、柱と梁と接合金具で作られる構造で、筋かいを取らないところに特徴があります。そのため、壁や柱の少ない広い空間を作ることが出来ます。
しかし、木を使うならば、その様な大空間を創り出すのは、一見すると難しいです。天然木であれば強度上のバラつきがありますし、構造を作り出すだけの太い部材を原木から取り出すことが出来ないからです。
そこで登場したのが集成材です。集成材は接着剤で貼りわせた部材ですが、貼り合わせる段階で節などを取り去り、品質的に安定させています。また、原木から取るのでは無いため、普通よりも太い部材を作ることが出来るのです。
この様に、木造ラーメン構造の造られる背景には材料を作る技術があります。この構造は多くの技術の上に成り立っていると言えるのです。
(4)集成材の信頼性

集成材と聞くと、接着剤で貼り合わせていることから「時間が経つとバラバラになるかも」と懸念されている人も多いです。そして、建築分野で使われている接着剤に剥がれなどの不具合が発生していることも事実でしょう。
しかし、集成材の場合は現場接着では無く、工場での接着で品質管理が行き届いている場所で作られています。その点で現場接着とは状況違うと言うことが出来ます。
尚、集成材に関しては50~70年以上の耐用年数がある、との話もあります。
(5)アパートなどへの応用

この大きな空間は、アパートなどを作る上で有利になります。と言うのも、在来工法の場合は筋かいや壁が必要になるために、広いリビングなどを作るのに不利な場合があるからです。
その点、木造ラーメン構造は間柱や筋かいの無い大きな空間となります。そして、この構造はスケルトンリフォームなどでも有利になります。
そういった状況を考えてみると、この新しい技術はアパート運営の新しい形態にまでなるかも知れません。これからが楽しみな分野です。

2)火に耐える木材

素材としての木材に関する技術開発も様々な実を結んでいて、従来では考えられない様な素材まで現れました。
例えば、火に強い木材です。
(1)夢の燃えない木材

木の持つ魅力は柔らかく温かい雰囲気と言うことが出来ますが、逆に弱点を挙げるならば「燃える」点が挙げられます。実際、木を多用した空間にこだわる人も多く、魅力ある空間演出をしている例も、多々見られます。
しかし、やはり燃えることは素材としては弱点です。「燃えない木」は夢の素材だったのです。
(2)燃えない木材の研究

その様な背景や、建物の高級化の推進の一環として、燃えない木の開発が進んで来ています。
燃えにくい木は特に、大手の建設会社で研究が積極的に進められています。その結果。火災を想定した耐火試験でも2時間耐えられるといった木材も開発されました。
(3)木のテクノロジー

燃えない木の秘密は、木の中に燃えない素材を組み込んである物や、燃えにくくする薬剤を浸透させている物などがあります。
前者の例としては木(集成材)の中に石膏系の素材を組み入れてあり、仮に火が着いたとしても、燃えない層で火炎が止まり、中の荷重支持部までは燃やさないといった物です。
また、後者の場合は燃えないリン酸系やホウ酸系の薬剤を木材に注入するといった物です。
(3)建築物としての魅力

それでは、燃えない木材の魅力について考えてみましょう。
例えば、内装を燃えない木材とする場合、火災時には火の広がりを遅くする効果が期待できます。この効果の有無で違って来るのは「避難の成功率のアップ」です。
条件にもよりますが、火災発生時に火がまわるスピードが遅れ、火炎の規模が大きくならなければ、室内からの脱出も比較的容易になります。
これは大きな魅力で「安全な家」としてアピールすることが可能となり、客付け力のアップにも繋がります。

3)まとめ

木造建築の新しい工法について見て来ましたが、応用次第では物件の付加価値アップに有用な手段です。
顧客の需要や地域の特性などによっても投資用物件に求められる条件は違いますが、この様な新しい技術に開拓のヒントが隠れている場合も多いです。
積極的に情報を集め、戦略の一環とすることをオススメします。