登録後、すべての物件が閲覧可能になります!
また、会員様には一般公開より先にお得な物件情報をメールで配信中!
(配信不要の方はお手数ですが、登録後にメルマガ配信解除の手続きを行ってください)
不動産・仮想通貨・ブロックチェーン…
取引に無関係のようで実は深い関係を解説2019年11月22日「仮想通貨なんてよく分からない」と思っていたあなた。実は不動産業界に仮想通貨の技術が使われ始めているのをご存知でしょうか?
最近はあまり耳にする機会も少なくなった仮想通貨。むしろ今は、ブロックチェーンという技術が注目されています。
一体、不動産と仮想通貨、ブロックチェーンというものがどう関係しているのか。
この記事では、誰でも理解できるように不動産業界と仮想通貨について超簡単にご説明します。
不動産取引の未来を変える!?仮想通貨とブロックチェーンの基本
最初に仮想通貨の概念を、誰でも分かるようにご説明します。
仮想通貨とは、一つのデータをハッシュという長い英数字に変換させたデータというイメージを持っていただければ良いでしょう。例えば、この記事のタイトル「不動産・仮想通貨・ブロックチェーン…取引に無関係のようで実は深い関係を解説」という文字データをハッシュに変換すると以下のようになります。
- ・タイトル:不動産・仮想通貨・ブロックチェーン…取引に無関係のようで実は深い関係を解説
- ・ハッシュ化:CE943E144AAA385B4DB0BCA8A9E35A88B8CD13E3B9905E54834624A3EBEE0792
仮想通貨は文章などをハッシュにしたものではなく、取引データをハッシュに変換したデータ。「買った」「売った」「譲った」「受け取った」などのデータが、ハッシュに変換されているのです。
仮想通貨が生まれた当初、ハッシュなどのデータは一部の人たちでやり取りがされていただけでした。しかし上記の仕組みに価値を見出した人たちが、次第に円やドルといった実際のお金でもやり取りするようになります。
これが価値の付くようになった、今の仮想通貨です。
では仮想通貨をやり取りしていた最初の人たちは、何に価値を見出したのでしょうか。
それはブロックチェーンという仕組み。電子マネーなどとの違いを理解すれば分かりやすいでしょう。
電子マネーや銀行のお金は、一つのサーバーで取引データが管理されます。
対する仮想通貨のデータは、世界中のパソコンやサーバーなどに分散して記録されています。そのため一つのパソコンが壊れても、他のパソコンにデータが残っているので消えたり改ざんされたりしません。
この世界中のネットワークに分散して記録される仕組みが「ブロックチェーン」です。
下図は経済産業省が作成した、電子マネーなどの「中央集権型の仕組み(左)」とデータが分散される「ブロックチェーンの仕組み(右)」のイメージ図です。
(画像1)
引用:経済産業省 ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査
世界に分散しているから「消えない」「改ざんできない」というブロックチェーンの仕組み。
これを応用すれば、お金のやり取りだけでなく、不動産の取引や著作権などの保護にも利用できます。
「ブロックチェーン」の技術で不動産取引が活発化!
非常に単純な物語に例えて、不動産取引とブロックチェーンの仕組みを考えてみましょう。
もし不動産取引が現在のままだったとすると、以下のような危険性が常に付きまといます。
【普通の不動産取引】
1. ある日、売主のAさんが買主Bさんに3000万円で家を売った
2. 後日、買主Bさんが「売買契約書が偽物だ!本当の売買価格は2000万円だから1000万円返せ!」と抗議
3. 売主Aさんは「売買契約書では間違いなく3000万円と書いてあるからお金は返さない!」と反論
4. 買主Bさんは「この売買契約書は偽造されたものだ!」と主張を続け、両者の言い分は水掛け論に……不動産取引は、不動産会社や司法書士、銀行などのたくさんの人が関わって成立します。もちろん法的な根拠もありますので、実際の不動産取引で上記のようなことはなかなか起こらないでしょう。
ただ可能性として、上記のような詐欺に遭う可能性は否めません。過去に話題になった「積水ハウスの地面師事件」があるのですから、可能性はゼロではないのです。
そこでブロックチェーンの技術を応用すると、以下のようなメリットが生まれます。
【ブロックチェーンを応用した不動産取引】
1. ある日、売主のAさんが買主Bさんに3000万円で家を売った
2. 後日、買主Bさんが「売買契約書が偽物だった!本当は2000万円だから1000万円返してくれ!」と抗議
3. 売主Aさんは「売買契約書では間違いなく3000万円と書いてあるからお金は返さない!」と反論
4. 買主Bさんは「この売買契約書は偽造されたものだ!」と主張
5. 売主Aさんは「こっちのデータは改ざんされているが、他のデータは元の3000万円で記録されている」と証拠を見せる
6. 結果、何者かが一部のデータを書き換えたと判明して最終的に和解正確には上記のような単純な仕組みではありませんが、ブロックチェーンの基本的な考えかたとして捉えていただければ問題ありません。
要は「情報を改ざんできないブロックチェーンを利用すれば、安全な不動産取引が可能」ということです。
ブロックチェーンという仕組みのメリットは、取引を安全にするだけではありません。安全だからこそ取引を簡素化でき、さらに取引のスピードをアップさせられます。
事実、不動産ポータルサイトLIFULL HOME‘Sを運営する株式会社LIFULL は、ブロックチェーンを応用した不動産登記の簡略化実験を始めています。
参考:LIFULL、空き家・所有者不明不動産問題の解決に向け、ブロックチェーンを用いた権利移転記録の実証実験を開始
他にもブロックチェーン技術を不動産取引に活用しようという動きは、業界内で活発化しています。
登記を始めとして、不動産取引における様々な費用と多くの時間。これらのコストをブロックチェーン技術でカットしようとする動きが、不動産業界内で徐々に広まってきているのです。
「仮想通貨」で不動産の購入が可能に!?
上記までをおおむね理解していただければ、不動産取引と仮想通貨における現在の関係はご理解いただけるでしょう。そもそも「仮想通貨を実際のお金とやり取りできるなら、仮想通貨でそのまま不動産を買えたらいいのに」なんて思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は過去に、ビットコインで不動産を買えるサービスは多数存在していました。しかも日本国内の話です。
ただ残念なことに、仮想通貨決済ができた不動産会社のほとんどがサービスを終了しています。仮想通貨とは関係のない事件や詐欺が発覚してしまったのです。
そのため現在は仮想通貨の価値により不動産を売買するのではなく、ブロックチェーンを活用した取引の活性化にスポットが当てられています。
今は穏やかな動きをしている仮想通貨の相場。今後改めて人気が高まれば、仮想通貨で不動産売買できるサービスが開始される可能性は十分考えられます。
「紙」から「デジタル」へ!仮想通貨が不動産の取引市場に与える影響
不動産と仮想通貨、ブロックチェーンの関係性をご説明しました。
ここまでの解説で、ブロックチェーンを活用すれば「紙」を使わない不動産取引が可能になるということにお気づきになられましたでしょうか。
たとえば不動産売買の場合、たくさんのお金と時間を使い、不動産会社や顧客は以下のような書類を用意しなければいけません。
【不動産会社が用意する書類】 【顧客が用意する書類】 ・ 売買契約書 ・ 収入証明 ・重要事項説明書 ・住民票や印鑑証明 ・登記簿謄本 ・銀行口座の残高証明 ・測量図や公図 ・本人確認書類 売買の内容によりほかにも準備すべき書類はあります。ただ上記の書類、すべて偽造しようと思えばできてしまう書類ばかり。だからこそ、売買の時点における最新の書類をその都度用意するのです。
ただもし、登記簿の情報をブロックチェーンに書き込めるなら、過去のデータを改ざんできないため紙で発行する必要がありません。また住民票などの情報も、改ざんできないデジタルデータとして扱う考え方が閣僚会議で示されたりしています。
紙の書類を用意しなくてよい、その書類を作成するための時間を使わなくてよいとなれば、不動産取引に要する手間や費用を大幅に削減できるでしょう。さらにデータの改ざんができないなら、宅地建物取引士による重要事項説明が不要になる可能性もゼロではありません。
考えられるのは、よりスマートに取引できる不動産会社だけが残っていくという未来です。
物件を見に行って、気に入ったらその場で決済まで完了。まだまだ時間のかかることかもしれませんが、不動産業界のそんな未来は決して夢物語ではないのです。