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誰にも結論が出せない「賃貸vs持ち家」あなたのベストアンサーを見つける方法(1)
2020年7月21日「賃貸と持ち家はどちらが有利か」
古くから議論され続けててきた大きな疑問。ファイナンシャルプランナーから不動産業界の著名人まで、多くの人々が議論を続けてきました。
あなたも一度くらい興味を持ったことがあるテーマではないでしょうか。
しかし勝敗は決まらず、「結論は出せない」「くらだない論争」といった答えで落ち着きそうな様相です。
とはいえ、気になったテーマに答えが見い出せないのも釈然としないでしょう。
そこでこの記事では、なぜ「賃貸vs持ち家」がくだらないとされるのかを明らかにし、住まいに対する正しい考え方を解説します。
順を追ってお読みいただければ、「あなたにとっての最適な答え」が見えてくるはず。
どうぞ最後までお付き合いください。
「賃貸vs持ち家」は結論が出せない!くだらない論争と言われる理由
多くのメディアが解説し続けても決着がつかない、「賃貸vs持ち家」のテーマ。そのほとんどが「お金」の視点で解説しています。
決着がつかないのは、経済的な視点のみで解説しているのが最大の理由と言っても過言ではありません。
賃貸に住もうが持ち家に住もうが経済的に大きな差は生まれないためです。
賃貸と持ち家の経済的な差をシミュレーション
仮に「30歳から80歳まで」の期間における賃貸と持ち家で比較し、経済的にどちらが有利か簡単に試算してみましょう。
下表はファミリータイプの平均的な賃貸家賃、そして一般に多く流通する建売一戸建てを想定したシミュレーションです。
賃貸 (家賃9万円)
持ち家 (物件価格3,500万円)
入居時費用 前家賃 9万円 頭金 (物件価格の10%)
350万円 礼金 0円 諸費用 (物件価格の8%)
280万円 敷金 (2か月)
18万円 仲介手数料 9万円 入居後費用 家賃 (50年間)
5,400万円 住宅ローン総返済額 (借入金額3,150万円、金利1.3%)
3,924万円 更新料 (1.5か月×25回)
338万円 固定資産税 (50年間×10万円)
500万円 リフォーム (1回目)
300万円 リフォーム (2回目)
300万円 合計 5,774万円 5,654万円
120万円の差がある分、持ち家のほうがお金の面で有利です。
この結果をご覧いただいたあなたも、「たしかにさほど大きな差はないな」と思われたのではないでしょうか。
もちろん、「されど120万円だ」と思ったとしても何らおかしくはありません。
「年金2,000万円問題」が象徴するように、日本人の老後は安泰とは言い難くなってきました。少しでもお金が残る住まいを選びたいと思うのも当然の心理です。
ただ長期的な視点で考えると、やはり大きな差とは言えません。
「賃貸vs持ち家」の結論はいとも簡単に逆転する
シミュレーションで比較した、賃貸と持ち家の120万円の差。
家賃が2,000円安い賃貸物件を借りれば簡単にカバーできてしまう金額です。仮に家賃はそのままでも、節約や副業などでコツコツ貯金すれば簡単に貯められるでしょう。
つまり賃貸であろうが持ち家であろうが、収入と住居費、地域といったライフスタイルの違いによって結論はいとも簡単に逆転するのです。
試しに前章のシミュレーションを基にして、賃貸と持ち家それぞれの条件を変えるとどうなるか再度計算してみましょう。
<賃貸>家賃が5,000円安い物件に住んだ場合
家賃9万円の物件 家賃8万5千円の物件 入居時費用 前家賃 9万円 8.5万円 礼金 0円 0円 敷金 (2か月)
18万円 17万円 仲介手数料 9万円 8.5万円 入居後費用 家賃 (50年間)
5,400万円 5,100万円 更新料 (1.5か月×25回)
338万円 319万円 合計 5,774万円 5,453万円(▲321万円)
家賃が5,000円安い物件に住んだ場合、総費用が300万円以上も安くなりました。
賃貸物件における家賃5,000円は物件の質や駅からの距離などに影響しますが、探せば見つかる範囲です。
もし都市部からベッドタウンや地方エリアなどへ移り住んでも良いなら、同じ広さで家賃が2~3万円安い物件を見つけることも十分可能です。
<持ち家>物件価格を300万円安くして住宅ローン金利を1.0%で組んだ場合
物件価格3,500万円 物件価格3,200万円 入居時費用 頭金 (物件価格の10%)
350万円 320万円 諸費用 (物件価格の8%)
280万円 256万円 入居後費用 住宅ローン総返済額 3,924万円 (借入金額3,150万円、金利1.3%)
3,415万円 (借入金額2,880万円、金利1.0%)
固定資産税 (50年間×10万円)
500万円 500万円 リフォーム (1回目)
300万円 300万円 リフォーム (2回目)
300万円 300万円 合計 5,654万円 5,091万円(▲563万円)
持ち家については、物件価格と住宅ローン金利を少し変更しただけで、実に500万円以上の差が生まれました。
さらに住宅ローンは、繰り上げ返済を行って早めに完済すれば総返済額を減らせます。また持ち家特有の費用であるリフォーム代も、日頃からまめにメンテナンスしていれば将来的な修繕費用は節約できるでしょう。
持ち家に限らずですが、住まいに関する数字は自分の意思で変更しやすいのです。
長く続けられてきた「賃貸vs持ち家」の議論。きっとあなたも「結論を出せない」「くだらない論争」と言われる理由が見えてきたのではないでしょうか。
経済的なリスクは持ち家のほうが高い?
賃貸と持ち家について実際の支出額で比較してきましたが、実は経済的な面だけで言えば持ち家のほうがリスクは高いと言えます。
持ち家は経済情勢の変化に影響を受けやすい上、住宅ローンによって身動きできなくなる可能性があるためです。
【持ち家特有のリスク】
●新築の不動産は買った瞬間に値下がりする
●ローン完済後には建物の資産価値は無くなり、土地値でしか売れない
●住宅ローン金利がいつまでも現在の低水準とは限らない
●収入が減ったり会社が倒産したりしても住宅ローンの返済額は変わらない
●住宅ローンを組むと他の融資が受けづらくなる
●高齢化と空き家の増加が進み、不動産価格は下落する可能性がある
もちろん賃貸物件も日本経済や周辺環境の変化により、家賃が上下する可能性はあります。
ただ基本的に家賃は変動しにくい性質であり資産価値という概念もないため、不動産価格の上下に悩まされることはないでしょう。また収入が減ったら安い家賃の物件に引っ越せばよく、固定資産税を気にする必要もありません。
それでも持ち家が良いと考えるのであれば、リスク回避の方法を知る必要があります。
<持ち家のリスクを回避する方法>
●資産価値が落ちづらいエリアの物件を購入する
●十分な頭金を用意し、無理な住宅ローンを組まない
●少しでも金利の低い住宅ローンを利用する
●地方エリアで安い中古住宅を一括購入する選択肢も
●住宅ローン減税は必ず活用する
賃貸の場合だと「家賃は手取り給与の30%まで」という話をよく耳にしますが、同じ感覚で持ち家を購入してはいけません。
持ち家で一番のリスクは、住宅ローンです。
今後、金利が上昇しないとは限りませんし、収入が減ったとしても今までどおり返済を続けなければいけません。持ち家を購入するにあたり、金利や収入、生活環境の変化があっても対応できる余裕を持つのが非常に重要なのです。
あなたが優先する住まいはお金?安心感?
ここまで、お金の損得という視点で住まいについて考えてきました。
解説したとおり、「どんな家で」「どのように暮らすか」によって最終的な結果はいかようにも変えられます。
最後に「賃貸vs持ち家」を考えるにあたって、大事なポイントをまとめておきましょう。
●賃貸も持ち家も最終的な支出は大きく変わらない
●ライフスタイルやライフプランが変われば支出額も大きく変わる
●持ち家を購入するなら住宅ローンを十分考慮する
あなたにとって理想の住まいを実現するには、障害となる事柄を解消する努力が必要です。
ただ理想と言っても、人によって「金銭面での理想」「精神面での理想」とで分かれるでしょう。
今回の記事では主に「経済的に合理的な住まい」について解説しましたが、「精神的な安心感」、「生活利便性」も住まいを決める重要な要素です。
そこで次回は、お金以外の視点も含めた「賃貸vs持ち家」を考えてみたいと思います。
ぜひ併せてお読みになってください。